商業施設新聞に、代表河野のインタビュー記事が掲載されました。

2017-08-22
㈱ティーケーピーは、貸会議室事業をはじめとした「空間再生流通事業」を展開し、現在直営会議室を1800室以上運営、米国やアジアなどにも進出している。2017年3月27日、東証マザーズに上場し、公開価格を大きく上回る初値を付けた。同社の事業や今後の展開について、代表取締役社長の河野貴輝氏に聞いた。

 ―貴社の沿革から。
 河野 「空間再生流通企業」である当社は、05年に貸会議室を運営する会社として設立し、8月で12周年を迎える。現在も主力である貸会議室事業は、主に都心部の借り手がつかないビルを借り、貸会議室に改装して貸し出すのが基本的なビジネスモデルだ。現在は直営貸会議室1800室以上を擁し、年間約2万2500社に利用していただいている。展開エリアは北海道から沖縄まで全国に至り、ニューヨークやシンガポール、香港、マレーシアなど海外6カ国7都市にも展開している。
 また当社の社名の由来でもある「Total Kukan Produce」のもとに、貸会議室事業から派生する周辺事業も展開している。法人や個人のお客様が泊まるための会議室併設型ホテルや旅館の運営などを行う宿泊事業や、弁当や懇親会・ケータリング料理を提供する料飲事業、その他にもイベント空間プロデュース事業、コールセンター・BPO事業などを行っている。

  ―上場の狙いは。
 河野 上場は成長戦略の一つと位置づけており、上場することで「信用力・資金調達力・ブランド力」を向上させ、成長スピードをより加速することができる。その他、海外で戦っていくための武器や会社を太く大きくするための手段として、上場を行った。

 ―株価の印象は。
 河野 東証マザーズ6位、時価総額700億円(17年6月現在)というのは確かに他と比べれば高い水準だとは思うが、私は決して高いとは言えないと思っている。当社の成長率は上場でさらに伸びていくと考えており、この成長率伸長を加味して評価すれば、株価はもっと上の水準になるだろうし、我々はそれを目指していく。

 ―これからの貸会議室需要については。
 河野 需要は高く、これからも伸びると考えている。現在、自社で大きな会議室をオフィスに設けている企業は沢山あるが、そういったところもオフィスを移転新築する際に、会議室のスペースは大きなコストであると判断することが多く、自前で持つよりも外部の貸会議室を借りる傾向にある。こういった会議室の集約・シェアリングの流れの中で我々は需要を掴みとっていく。

 ―競合他社と比べての貴社の長所は。
 河野 まず、業界のパイオニアである信用力と資金調達力を持っている点だ。これがあるからこそ、都心・大都市圏の好条件の物件を借りることができ、ブランド力の向上にもつながる。また宿泊事業や料飲事業と組み合わせることで、貸会議室事業に様々な付加価値をつけたサービスを提供している。
 ―事業を展開するエリアの想定は。
 河野 都心部や政令指定都市、人口が多い地方都市を基本的に想定している。こういった都市でドミナント展開していくのが戦略だ。

 ―貸会議室以外の事業について。
 河野 長時間の会議や研修、イベントなどで必要となる、弁当や懇親会・ケータリング料理を提供する料飲事業がその一つだ。老舗弁当工場「常盤軒」の買収や、ホテル内宴会場の取り込みなどで拡大を進めており、現在売り上げ規模は40億円程度で、全国の料飲・ケータリング業界で3~4位の地位を占めている。また貸会議室併設のレストランやカフェも24店展開している。
 もう一つの柱が、会議室を併設したハイブリッドな宿泊事業だ。現在アパホテルのFCとして会議室併設型ビジネスホテルを3施設展開しているほか、リゾート型セミナーホテルや温泉旅館、シティホテルなども運営する。今後宿泊施設を10施設程度増やす計画で、9月には資本業務提携契約を結んでいるファーストキャビンのFCとしてTKP初となる、会議室併設型のコンパクトホテル「ファーストキャビンTKP名古屋駅」が開業する。我々の宿泊施設は貸会議室をご利用される企業の研修需要という有力な顧客基盤があるため、平日は企業・団体の研修、休日は一般の個人のお客様を取り込んだハイブリッドな宿泊事業を展開できると考えている。

 ―ポスト五輪をどうみますか。
 河野 不況に陥ることは回避できないのではないか。そういったときこそ、我々の「空間再生」の本領発揮だ。我々は「持たざる経営」を基本としており、不況時に暴落した物件を賃貸・取得し、事業を展開していくだけの体力を備えている。五輪後も東京というマーケットはインフラ整備も進み良好なものだと考えているので、積極的に東京での事業展開を進めていきたい。

 ―今後の抱負を。
 河野 今回の上場は、成長のための武器を手に入れたことを意味する。これにより、TKPが生んだ貸会議室というビジネスモデルを海外にもさらに展開していく。現在展開している米国やアジアに加え、以前展開していた中国本土でも捲土重来を図っていきたい。

(聞き手・編集長 松本顕介/山田高裕記者)