貸会議室のTKP、会議室充実のホテル――札幌など地方展開、個人・法人取り込む。

2006-07-14

日経MJに当社記事が掲載されました。

 首都圏で貸会議室を運営するティーケーピー(TKP、東京・港、河野貴輝社長)は八月、ホテル事業に参入する。昨年閉館した札幌市内のシティーホテルを再開業し、ホテルと貸会議室を合わせた「ビジネスセンター」として売り込む。二〇〇七年までに福岡市などの地方都市でもホテルを展開。個人中心の宿泊需要と法人の会議需要を取り込む。

 NTTグループが運営し、昨年閉館した「ルーシス札幌」を八月中に再オープンさせる。現在同ホテルを所有するマンション開発会社のモリモト(東京・渋谷)から施設を借り受け、自社運営する。ホテル業界出身者を支配人として採用し、開業準備を進めている。

 ベッドやテーブルなどの備品はそのまま利用し、初期投資を極力抑えることで、料金を相場の最安値圏に設定する考え。客室や結婚式場を利用する個人客のほか、ホテル内に七つの貸会議室を新設して法人需要を狙う。年間で約五億円の売り上げを見込む。

 同社は貸会議室事業を全国展開していく計画だが、地方都市では首都圏に比べて大きな貸会議室需要が見込めないと判断。地方の閉鎖したホテルを所有する不動産ファンドなどと提携して、ホテル事業を展開していく。観光客など個人向けに一定の収益が見込めるホテルに、法人向けの貸会議室を組み合わせた「ビジネスセンター」として、地方都市を開拓する。

 同社は〇五年八月から貸会議室ビジネスを始め、東京都と横浜市で約七十の会議室をレンタルしている。同社は空き室を抱える中小ビルから低賃料でフロアを借り受け、リフォームして会議室として企業などに一時間単位で貸し出す。

 従来の貸会議室は高価格帯のホテルと低価格帯の公共施設に「大きく二極化している」(河野社長)。同社は利用料金を周辺のホテルに比べて半分以下に抑えることで、ホテルを利用していたものの、経費を削減したい企業などの需要を開拓。すでに二千六百社以上が利用している。

 ホテル運営など今後の事業拡大のための資金を確保するため、四月にはエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズと伊藤忠ファイナンスを引受先にした計七千五百万円の第三者割当増資を実施した。