千葉の映画館再生 県出身の社長がタッグ

2013-01-12

大分合同新聞に当社記事が掲載されました。

客足減で営業を中止していた千葉県柏市の映画館が2月2日、装い新たに“こだわりのシアター”としてオープンする。遊休不動産の利活用を得意とするベンチャー企業がハード(施設)を整え、シネマ界の生き字引的な老舗企業がソフト(映画)を提供。業界注目の試みを仕掛けるのは、いずれも大分県出身の若手経営者2人だ。

「いずれは全国展開」

映画館は「TKPシアター柏 supported by KINEJUN」(柏市末広町)。興行主体のシネコン(複合映画館)とは一線を画し、ファンが「何度も見たい」と願う新・旧作を特別編成。観客のあらゆる年代や生活スタイルに合わせ、それぞれのニーズに沿った作品を曜日、時間帯別に上映する。

貸し会議室業などで注目を集める企業「ティーケーピー」(東京)が劇場運営を担う。社長は大分市出身の河野貴輝さん(40)で、映画館などの娯楽施設を再活用するのは初めて。「今までの形にとらわれず、機動力のある映画館にすれば客は来る」と思い立った。

一方、作品を編成・上映するのは、佐伯市出身の清水勝之さん(42)が社長を務める映画関連出版社「キネマ旬報社」(東京)。さまざまなファン層の好みや傾向をデータ分析し、配給会社主導のシネコンとは異なる「セレクトショップ的な映画館」を目指す。

県出身オーナーのタッグ結成が決まったのは昨年6月。他の県出身者たちと一緒に回ったゴルフ場(首都圏)で意気投合、トントン拍子に話がまとまった。

三つのスクリーンに客席は計444。オープン後は、まずは伝統ある「キネマ旬報ベスト・テン」に選ばれた2012年作品を一挙上映する。

2人は「TKPシアター柏をモデルケースとして成功させ、いずれは、全国で閉館が相次ぐミニシアターや単館系の映画館を再生できれば」と話している。