いまどき節約術ビジネス編――臨機応変、借りる会議室。

2009-01-29 日経産業新聞「いまどき節約術」に当社記事が掲載されました。
 東京都中央区銀座。ビルの八階に約百三十平方メートルの貸し会議室がある。三十歳代から五十歳代の男性が約三十人いすに座り、講師の声に真剣な表情で耳を傾ける。集まったのは名古屋市の建築設備施工会社、中央設備エンジニアリングの管理職たちだ。

 「社外で研修をしてほしいという顧客の要望が多い。そんなときに貸し会議室が役立つ」。今回の研修を実施した伊藤忠商事系の人材サービス会社、キャプラン(東京・港)人材開発センターの小柳津修さんはこう語る。研修の場所を社外に設定することで、参加者が仕事を理由に抜けたりせず、「集中できる環境を整えることができる」。

 「貸し会議室を使えば机のレイアウトのほか、プロジェクターなど機器、用具の調達、必要があれば食事の手配までやってもらえる」と小柳津さん。借り手には運営の手間が省けるメリットは大きい。

 東京や大阪など大都市圏中心に貸し会議室の数は増えている。貸し会議室最大手、ティーケーピー(TKP、東京・中央)の場合、運営する会議室の部屋数は全国で約四百と一年前に比べ八割増加した。従来は空白区に近かった大阪など関西地区では九から六十四と七倍に急増した。

 「会議室は必要なときだけ借りればいい」――。企業の経費削減ムードが昨今の需要を後押しする。研修以外にも採用や会議など利用目的は幅広い。ホテルからシフトする顧客も多い。

 貸し会議室の価格が下落傾向にあることも需要を喚起する一因だ。TKPでは借りたオフィスビルを会議室に改装して顧客に貸す。景気後退によるオフィス賃料の下落が貸し会議室価格の下げに直結する。TKPが東京都中央区で運営している百人収容の会議室の場合、一人・一時間当たりの単価は昨年の二百八十四円から二百二十七円に約二割下がった。

 「貸し会議室向けのスペースはますます仕入れやすくなっている」とTKPの河野貴輝社長。二月から三月には東京都内六カ所で大規模会議室を設置する予定だ。スペースを商材とした節約ビジネスはさらに拡大する可能性を秘めている。