本経済新聞(大阪夕刊)に、「TKPガーデンシティ梅田」についての記事が掲載されました。

2017-11-21

TKPゲートタワービル――高速が貫通、日本第1号(探建再発見)

 JR大阪駅と福島駅の間に、高速道路が貫通する近未来感あふれるビルがある。1992年に竣工した「TKPゲートタワービル」(大阪市福島区)だ。地下2階、地上16階建てで、22角形とほぼ円形の形をしている。貸会議室などとして利用されるが、高速道路が走る5~7階の案内表示は「阪神高速道路」だ。

 「訪日外国人からはジェットコースターが入っているアミューズメント施設と間違われる」とティーケーピー関西支店の高橋幸治支店長。高速道路はビルの外側にある柱で支えられ、ビルには接触していない。道路の周りはシェルターで覆われており「騒音や振動の苦情はない」。

 なぜ高速道路が貫通できたのか。施工に関わった佐藤工業安全環境室の渡辺信夫副室長によると、1989年制定の「立体道路制度」がポイントだ。土地の有効利用を目的に道路と一体化した建物を建てられるようになった。その適用第1号とされる。

 所有者はLPガス販売の末澤産業。先代社長が粘り強く交渉したとみられる。息子で現社長の末澤正大氏は「高速だけでは街は衰退していく。ビルを建て地元を活性化したいとの思いがあったのでは」と語る。大阪のランドマークとなり、先代の思いは確かな形となって実を結んだ。

(大阪経済部 黒田弁慶)